北緯40゜の桃源郷から

ここに登場する農園は秋田市から車で約20分ほど走った山の中にある小さな農場であります。これから始まる話は、農夫に成り立てのまったく素人同然の森のぽーと家庭菜園歴ウン十年を誇るおくちゃんとその息子であるやっちゃんとの3人が自分たちの理想とする農園を作らんがために悪戦苦闘する日々の様子を綴った物語であります。

ようこそ太平山自然農園へ

目 次

太平山自然農園便り

実在の農園は閉鎖しました。

[2010/07/26]

実在する農園は農園主の一方的なワガママによって閉鎖せざるを得ませんでした。非常に残念ですが、古今東西一度裏切ったやつは2度も3度も裏切るということですから、そんなアホにいつまでも係わっていても人生の無駄ですから、とっとと逃げ出すことにしました。そのうちに事の顛末を洗いざらいを描くこともあろうかと思いますが、あまりにもアホくさいのでしばらくは知らん振りをすることにすることにします。

掲示板を設置しました

[2010/03/02]

気軽にダベられる場所があってもいいなと思いまして、今のところIDとかパスワードとかを設定していませんのでお気楽になんでも書き込んでみてください。

無農薬・無化学肥料 太平山自然農園 みんなの掲示板

ぽーさんの農園物語(2010年編)

残念ながらこの農園は閉鎖されました。私も夢をあきらめて自宅のある千葉県市川市に撤退してしまいました。自宅に撤退した私は実態のある農園を閉鎖したのはやむを得ないが、2009年の7月からちょうど1年間を農園とともに暮らしてきました。秋田にはバカ農園主しか知り合いはおらず、誠に心細い生活でありましたが、しだいに地元の人々とも交流が生まれ、ホームページの農園は閉鎖するに忍びがたかった。生きてきましたのでそれでこのサイトを自分の夢破れた場所の記念碑として、またこれからの実験場として残すことにした。

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いよいよ待望の農園物語第2弾の執筆が開始されました。

この物語は実話にもとづいています。一番最初の物語はぽーさんの農園物語(2009年編)として別ページに掲載されておりますので、興味のある方、いや、かなりヒマな方は読んでみてください。

雪が消えた4月始めにはりきって農園に乗り込みました。

「なんてこった、まさか、この時期に雪が降るなんて」
「ほんとにマジかよ」
「四月の半ばになろうって時に」

その日は朝から冷たい風が吹いていた。最初はそれほどの風ではなかったが、時間がたつとともに強く吹くようになった。4月の始めに雪が消えるのを待ちかねるようにして農園にきてからは晴れて暖かい日は数えるほどしかなかった。住まいのある関東とは1ヶ月ほどの季節の差はあるだろうと覚悟はしていたのだが、これほど寒い日が続くとは想像していなかった。あとでわかったことだが、この年は東北だけが寒いのではなく、関東でも急に冷え込み雪さえちらつくという例年にない異常気象ということであった。

どうしてもうまくいかない時はいつものことでもありますが、うまくいかないものです。特になにか新しいことをやろうと決意して実行に移すときなどはいつもそうなのであります。

秋田市を午前10時頃にでて、実家のある山形県に向かっていた。そしてその車中運転しながら口をついて出てくる言葉は天候に対する悪態だけであった。秋田の農園をでる時にはものすごい風が吹いていた。車が強風にあおられて走行中もハンドルを取られるぐらいであった。早いところ秋田県を抜けて山形県に逃げればなんとかなるだろうと思っていた。

国道7号線をひたすら酒田を目指して走った。実はこの時点でコースの選択を誤っていたのかも知れない農園から実家へカーナビのセットをすると、海沿いを走る7号線を走ることは同じではあるが、ナビの誘導は由利本荘市というところから内陸のほうに向って湯沢を抜けて新庄ということになる。しかし、いつもは海を眺めてのんびりと走り途中からは雄大な鳥海山がみえるコースが好きなので、いつもどおりにナビに逆らって7号線走って酒田までのコースを選んだ。

山菜を調理する 山フキを煮る

農園の近所に住む山菜採りの名人ササキ仙人

おくちゃんは、とある蒼い月夜の晩に、桃源郷のような農園をつくれと吼えたのであります。

秋田市内から車でほんの20分ほど北に走って太平山リゾート公園のほんの手前の日本近代遺産に指定されている藤倉水源地記念公園のところにワシラが耕す桃源郷のような農園があるのであります。「桃源郷」とはいささかいいすぎのような気もしないではないですが、本人たちがそう思っているし、特に農園主のおくちゃんがそう強く主張しているのだから、たぶんそれでいいのだと思う。

その桃源郷のような農園は雪には滅法弱くて、11月の中頃に雪が降り始める時期には、農園も農民も、すぐさまに深い冬の眠りに入ってしまうのであります。

そんなわけでありますから、やることが何もない雪の降る農閑期を利用して、オレは毎日まじめに、夜も寝ないで、昼寝なんかをちょっとしたりしながらコツコツとこのサイトを作り続けていたのであります。サイトもだいぶできあがってきた、ある日おくちゃんからの電話がありました。

太平山自然農園主 おくちゃんの後ろ姿
From 農園物語

「あのな、農園のな、ホームページみるにはみたけどな、どうにも全般的にまじめすぎてな面白味に欠けているな。特にトップページはインパクトというものがまるで欠けてるような気がするのだが・・・・・」

などとオレのこれまでの粉骨砕身的努力というものを一切無視いたしまして、ジツに身勝手なことをのたまうのでありまして、ま、身勝手なことをのたまうのは彼の専売特許のようなものでありまして、一度ならず二度三度とありましたので、すでになれっこになっていて、さほどオドロキもしないのでありますが。だけど唐突に「まじめすぎて面白味に欠ける」なんてイキナリいわれましても、こちらとしても、まじめに困ってしまうのでありました。

無農薬・無化学肥料のにんにくの植え付け
From 農園物語

オレとしては今は売れる作物はまだないけれども、そのうちに必ず売れるものをつくってやるんだという強い意気込みのもとでゴマメの歯ぎしり的粉骨砕身玉砕覚悟で懸命にやってきたのだし、そのためにも、このサイトをおもいっきし、まじめなものにして少しでも売り上げのアップに少しでも貢献しようと強く決意して日夜努力を重ねてきた矢先のことでありました。

おくちゃんはそれに追い打ちをかけて、さらに「無農薬や無化学肥料での栽培なんてことはちまたに溢れているのだから、そんなのやってあたりまえだから前面にださなくてよろしい。」と断言するのであります。?????・・・無農薬や無化学肥料での栽培がちまたに溢れているとはとても思えないけれども、とにかく農園主のおくちゃんがいうのだからアッシにはとっても逆らえませんので、おとなしくしたがうしかないのであります。はい

農地を広く開放しようぜ

「あのなぁ、オマエ、キャンプ好きだろ」

「はいはい、好きです。スキです、ダーイ好きです。」とキャンプというキーワードを耳にした瞬間から過剰反応していまい、パブロフの犬よろしく、息は荒くなり涎がダラダラと流れ出してしまうのあります。しかし、ここで唐突に「キャンプ」ということばを出されてもただヨダレダラダラ息ハアハアになって何をいわれているかの判断はまるでつかなかったのであります。

森のぽーさんの長野のプライベートキャンプ場
From Web

オレもしくは私は、物心ついた時から野宿が大好きで、成人してからもボロボロの天幕をかついでほうぼうをサマヨイ歩き、家族ができてからもやはり家族をほうぼうに連れ回し、最近の天幕生活はかなりの手抜きになってしまい、お手軽簡単に走り回れる車中泊に落ち着いてしまっているのであります。それでも年に数回はきっちりテントを張った天幕生活を楽しんではいるのであります。

「だったらさ、キャンプ場つくってしまえよ」

えっ!?農園にキャンプ場かい?。オレがおくちゃんにいわれて、わざわざ千葉県くんだりからおよそ600kmの道のりをへてわざわざ秋田市内にある農園にきたのは、農業をするためじゃなかったのかな。それでなんでおもいっきし、いきなりキャンプ場の話がでてくるのかわけがわからんかった。あれ?ここ農場だろ、農場でなんでキャンプなんだ。

「それからな、余っている農地をだな、広く一般に開放しようじゃないか、それでな、野が好きな人とか、農作業の仕事が好きな人にな、どーんと全国からきてもらって楽しんでもらえ。場所ならいくらでもある」などと吼えるのであった。しかしいくらどーんといわれてもなぁ。

いつか家族でいった長野キャンプ
From 農園物語

そして桃源郷のような農園造りに参加したい人にできるなだけ集まってもらおうじゃないか

どうやらオレが当初描いていた農園の姿とおくちゃんの描いている農園の姿とは大きく違うようであった。オレは世捨て人のように晴れた日にはチマチマと畑を耕し、雨の日は本を読み、パソコンでもいじっていれば満足であったのでありますが、おくちゃんの理想とする桃源郷のような農園の趣とはかなりの隔たりがあったようであります。

それならそうともっと早くいってもらえればよかったのだ。手のひらがえし的、朝令暮改的いや朝令朝改的変わり身の早さは天下一品のオレは水を得た魚のごとく、さっそくサイトの大改造にとりかかったのであります。まったく自分でもかなりいい加減なやつだと呆れてしまいます。

こうして、このサイトは家庭菜園を楽しみたい人や、桃源郷のような農園造りに参加したい人や、野宿生活を楽しみたい人や、たんに焚き火をしたい人や、日がな一日釣りをしていたい人や、その他なんでもやりたいという人々を広く募集するサイトに急速に変化していくのでありました。

日本は狭いというけれど、これまでの経験からすればネットで広く募集すれば必ず俺たちの考えに賛同する変わり者が現れると思っています。そう思ってはいるがいささか自信がないことも確かであります。

目指すはアウトドアとしての究極の農業だ

実は数年前から究極のアウトドアは農業ではないかと思い始めていたのです。それで農園にキャンプ場を作れといわれた時にはまったく反対のことをまくしたてのであります。これまでの天幕生活をとおして、既存のキャンプ場にはすでに愛想をつかしており、ここ10年くらいはまったくキャンプ場を使わなくなっていたのであります。え!キャンプ場を使わないでどうやってキャンプをするのかといいますと、探すのです。必死になって探せば結構あるものなのです。私の秘密のキャンプする場所は5カ所ほどあるのです。

森のぽーさんの自画像
From Web

「あんなぁ、東北の人はアウトドアなんてやらないよ。だいたいキャンプとかアウトドアをやるなんていう変わりモンは都会にしかいないんだよ。だいたいにして田舎に住んでるってのは毎日アウトドアをやってるようなもんじゃないかい。」これは長年アウトドアを実践してきた経験からいえることなのであります。

オレもしくは私は上記の理由からキャンプ場などわざわざ作ってもしょうがないし、まったく儲からないということをクドクドクドクドと126回ほど申し立てたのでありました。が、返ってきた言葉は

「いいじゃないか、別に儲けなくたって、作物作っている畑以外の好きな場所にテントを張って楽しんでもらえば、それでいいじゃない」とのたまうのであります。「それにな、空いている畑でな、勝手に家庭菜園でもなんてものも楽しんでもらえばいいじゃないか。」さすがにこのときばかりは自分の耳を疑いましたね。そうかなんでもやっていいだ。そうか掘っ立て小屋を建ててもいいんだな。ツリーハウスを建ててもいいんだな。オレ専用の天幕張り場を作ってもいいんだな。「どうぞ、どうぞ、なんでも好きな遊びや面白いと思うことを存分にやってください。本格的農業はねオレがやるけん、まったく心配ないよ」

森のぽー、思いでの長野家族キャンプ
From 農園物語

それにキャンプ場なんていうのは、設備投資のわりにはまったく儲からないもので、20年ほど前に一時ブームにはなったけど、ブームが去った今はどこのキャンプ場もカンコ鳥が鳴いている状態だし、閉鎖してしまったキャンプ場もたくさん知っていた。それに近年はキャンプをしにいくのにも既存のキャンプ場というのをなるべく避けてキャンプをしていたのです。

最近のキャンプ場はテントサイトが仕切ってあって厳密に区画分けがされており、シーズンになればそこにギューギュー詰めなのであります。ブロイラーじゃあるまいし、昨日や今日キャンプをはじめた初心者ならそれで満足もするでしょうが、キャンプを長年やりつづけてきたものとしては馬鹿馬鹿しく思えてしようがないのであります。それに農園の近くには太平山リゾート公園というのがありまして、オートキャンプ場も普通のテントサイトも芝生になっており、かなり上等の管理がなされているところが、車で7,8分も走ればあるのであります。

From 09ゴールデンウイーク

おくちゃんは別に有料のキャンプ場をつくりたいわけではなく、基本的には天幕を張って遊んだり、焚き火をしたり、釣りをしたりという一連の遊び場をつくりたいということでありました。

From 09ゴールデンウイーク

現時点でおくちゃんはある某上場会社のサラリーマンでありまして、ま、わかりやすくいえば兼業農家ですね。これまで秋田県を中心に東北地方を主に担当していたのであります。ですから休日ともなりますと、ニコニコ顔で好きな畑にかかりきりの優雅な生活を送っていたのでありました。

ところが「世の中そうそう甘いモンやおまへんのや、あんた」ん!?急に大阪弁になってしもうた。かまわず先をつづけましょう。優雅な兼業農家生活を送っていた彼は、昨年の春に急な人事異動がありまして、仕事が全国規模となりまして、明日は沖縄あさっては北海道という空飛ぶ兼業農家となっていったのです。本社は東京にありますから、当然東京での単身赴任となったのであります。

月になんどか自宅がある秋田までの交通費が会社から支給されるといっても、自宅から通勤していたころからくらべれば、やはり畑ですごすことはめっきりと少なくなるのはあたりまえであります。それでも根っから農業好きな彼は割安の深夜バスを利用したりと涙ぐましい努力をし、ナスやピーマンを作り続けたのであります。

From 農園物語

空飛ぶ兼業農家でも、これまで耕していた畑は2反歩ほどであります。1反歩というのはですね、およそ300坪になります。ですからおよそ600坪の畑を耕して作物植えていたのであります。先に兼業農家といいましたが、別に作物を売りに出しているわけではないので、ただしくいえば家庭菜園の大規模なやつですね。しかし、いかに家庭菜園といっても600坪はちょっと聞いたことはないですけれども。

このあたりはさほどモンダイはないのであります。別に趣味を越えた百姓をおくちゃんが楽しめなかったなんていうのは、たいしてモンダイではないのであります。少なくても私にとってはですけれども。

まさか自分がその年になって、全国を駆け回る仕事につくなんて露ほども思っていなかった彼は、退職したならばホンモノの百姓になる決意を秘めていたのです。ですから知り合いの農家に頼み込んで農地を探してもらっていたのであります。私の感覚からすれば600坪もあれば、もうそれで充分だと思うのですが、彼の頭はどうもそうじゃないらしい。聞いた話よるとホンモノの百姓になるには最低でも5反歩の農地を持っていないと認められないらしいですね。さて1反歩が300坪ですから5反歩となれば1500坪ですね。私の住む千葉県市川市でそれぐらいの土地を持っていればいきなり土地成金ですね。ちなみに私が所有しているのは変形で45坪であります。ま、こんなみみちい話はどうでもいいのですが。

From 農園物語

ではこれまで耕作していた2反歩の畑はどうしていたのかといいますと、やはり知り合いの農家から借りていたのであります。ホンモノの農家と認定されなければ農地は買うことができないのだそうです。なんでそうなのかなんてムズカシイ話しはこの私に聞かないで欲しい。

探していた農地が知り合いの農家の方や農協関係の人々の並々ならない尽力もあって、念願かなってどうにかこうにか1町歩の農地を手に入れることができたのであります。さてまた坪の計算に入ります。1反歩は300坪であります。1反歩が10個集まって1町歩となりますから、なんとおおよそ3000坪となります。それに以前から好意で貸して貰っていた2反歩も同時に購入しましたので3600坪の農地を確保することになったのであります。

しばらくは中学生のころからの百姓になる夢の第一歩を歩み出し、しばらくはヨロコビに浸っていたのであります。そこに降ってわいてきたのが例の空飛ぶ兼業農家になるべき人事異動でありました。

「桃源郷のような農園をつくれ」と吼えたのであります。いきなり桃源郷といわれても困ってしまう。だいたいにして桃源郷なんていう言葉そのものが死語なんではないかと思う。桃源郷ユートピアね。気持ちはわからんでもないが。

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From

ようこそこのような人里離れた辺鄙な農園においでくださいました。このサイトは無農薬で化学肥料を一切使わない農業を目指して日夜農作業と*研究に追われる太平山自然農園の公式サイトであります。といいましても、当初のメンバーの3人はほとんど素人の集まりなのあります。リーダーのおくちゃんだけはこれまで家庭菜園を趣味としていましたが、他のやっちゃんやこのサイトを管理運営しているぽーはまったくの素人であります。それも二人とも昨年(2009)ほんの短い期間だけ百姓の真似事をやったに過ぎないのであります。このド素人たちが成功するのか失敗するのかは今のところまったくわかりません。ひょっとして失敗する確率のほうが多いのではないか、なんて思いが、チラットと頭のなかを時々よぎったりしていますが、とにかくがんばるだけはがんばろうと思っています。

*研究 ここで研究などという言葉がでてきましたが、それは格好良すぎです。試行錯誤といったほうがいいです。

普通農園のサイトといえば、大根を売ったり、にんじんを売ったりするものですが、この農園にはまだ売るものがまったくないのであります。将来的には売れるものがでてくるかも知れませんが、それとてもまったく不確かなものであります。先ほどもいいましたけれども、なにせ完全無農薬で完全無化学肥料を目指しているものですから、まったく野菜が取れない可能性すらあります。取れたとしても虫食いだらけであったり、まるくならないキャベツであったりする可能性が大きいので、自分たちだけが自己満足で、おいしい、おいしいといって食べるためだけに終わってしまう可能性が大なのでありますから

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田んぼから畑への転換作業

機械力なしでの農作業は大変です。

ただの素人がほとんど荒れた田畑だけがあって、農業の経験も知識も何もない状態から農業をやっていくことができるのかっていう実験をやっているようなものだということを正直に包み隠さずに公表していきたいと思っています。何もないということを具体的にいいますと、農家には必須である軽トラックがないのです。鍬とスコップはさすがにあります。なぜか中古のトラクターが一台あるのですが、そんなに大規模にやっているわけではないのでほとんど活躍する場がないのであります。本当は使ってみたいのでありますが

太平山自然農園おくちゃん 太平山自然農園おくちゃん
太平山自然農園おくちゃん
From 農園物語

昨年は一部の休耕田をのぞいて、稲作をやっておりました。稲作をやるといっても中古のトラクター1台をのぞいてはほとんど機械がないのですから、苗の育成から田植えそして刈り取り、脱穀、乾燥とほとんどの作業を外部の業者に依頼したのであります。その結果50俵ほどの収穫がありましたが、口に出していうのもはばかれるほどの大赤字でありました。

それで自分の田んぼで採れた米がおいしかったのかどうなのかもわかりません。なぜなら同じ時期に採れた米は一緒くたに処理されてしまいますので、ほうぼうの農家の米がまじってしまうからなのです。もしそれが嫌なら昔ながら天日干しをやるかウン百万円の大金を投じて自前の乾燥機を備えなければならないのであります。天日干しをやるのはやぶさかではないのですが、それは自分たちが口にするものに限るということになりますね。出荷するものまでやれる労力がないのですからそれは仕方のないことであります。

それでは、すべて自分のところで耕作すればいいではないかとなりますが、1町歩(3000坪)近い田んぼを機械力なしで耕作することは不可能であります。機械を購入すればという話にもなるでしょうけれども、農機具ってのはバカ高くて、今更借金をして揃えてもとても採算に合わないわけであります。それにこれまでと同じように大量の農薬と化学肥料をぶちこんで作った米なんて作る気にもなりません。そんなもんわざわざ苦労して作るよりも買ったほうがかなり安いですからね。それに美味いしね

それで今年からは設備投資のかかる稲作を全部やめにして、人間の労力だけでやりやすい畑作に切り替えることにしたのです。これから完全にお米をつくらないかといいますと、来年から作ります。自分たちで食べる量だけを大幅に規模を縮小して、自分たちの人力で作れる範囲で、当然ですが無農薬・無化学肥料でやっていきたいと思っています。今年はとにかく無農薬・無化学肥料で野菜栽培を試行錯誤ながらやっていきたいと思っています。

無農薬・無化学肥料でやっていくのは始めから決まっていたので、ひとつも迷うことはありませんが、有機栽培をやるのか、無肥料栽培をやるのかはおおいに迷うところであります。できるなら最初から無肥料栽培をやりたいのですが、無肥料栽培は実験段階に止めて比較的成功例の多い有機栽培を優先してやっていこうと思っています。当然将来のことを考えて無肥料栽培の実験圃場は確保して、緑肥を施してその機会を狙っていきます。

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それで食べていけますか?

「え?百姓をやるんですか?それで食べていけるんですか?」百姓やるんだというと必ず返ってくる言葉です。食べていけるのかって聞き返されてはじめて自分でも考え込んでしまいました。ほんとだ、食べていけるのかなぁって。

自分の息子に「どうだ秋田で百姓でもやらないか?」と訪ねますと「????・・・」「やるわけねえだろ。そんな儲うかんないもの」と、とりつくしまもありません。

どれも当然の話ですね。まだ本格的に野菜の生産をしてもいないのに、かなり早計なのでありますが、まったく食べていけません。それどころから完全な持ち出してあります。これから先採算にあうのかといえば、ひとつもその光はみえてきません。今更のことですが、いかに農業で食べていくのが難しいかということです。まして、農薬や化学肥料を使わずとなると正直ほとんど常規をえっしているといってもいいと思います。はっきりいって無謀としかいえないと思います。

それでも農薬と化学肥料は絶対に使いません。そんなもん作るんだったら、スーパーに行った方がほうが信じられないぐらい安い値段で購入できるのですから、死んでも作る気はないのであります。

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太平山自然農園とは

最近ようやく、秋田市が秋田県のどの位置にあるのかがわかりかけてきました。というのもこれまで、秋田県には数える程度しか訪問したことがなくそれも主要な幹線道路を走り抜けた程度のことでありましたのでほとんど秋田県のことはわかっていないのです。でも今回縁あって秋田市で農業らしくものをやることになったので、これから詳しくなっていくことだと思います。

なんで「太平山自然農園」などという
大げさな名称なの

秋田市 仁別 藤倉水源地公園 紅葉

とりあえず作物を植える畑を作らなければいけない。これは一度作ってしまえば、その後はここを軽く耕して作物を植えるだけで済むのだけれども、この作業が一番の肉体労働できつかった。

農園にある唯一の機械力であるトラクターで取り入れの終わった田んぼを一度荒起こしをして、その後スコップと鍬を使って畝づくりをおこなった。

From 農園物語

ときどき「なぜ農園の名前を「太平山自然農園」などという大げさな名称にしたのかと問われます。私はその問いを前にして、突然シドロモドロになってしまいます。実はそれほど深い意味があったわけではないのです。農園の名前は大事です。ですから、これから良い名前だと思われるのがあったら、いきなり突然に変更することもあり得るのです。なぜなら、まだひとつも世の中に「太平山自然農園」などという名前が知れ渡っていないのでなんとでもできるのであります。

最初はたんに畑とか田んぼなんていう名前で呼んでいたのだが、それではあんまりだということで「オクちゃん農園」と名付けた。しばらくの間はそれで呼んでいたのだが、どうもそれではネットで検索する場合にキーワードとしては弱いのではないかと思えてきたのであります。

それで第2農場がある藤倉水源地にちなんで「藤倉農園」とか「藤倉水源地農園」ではどうだろうかと考えていたのです。それからやはりこのあたりの地名であります「仁別農園」なんていうのはどうだろうかと考えていたのです。

因みに「太平山自然農園」は第1農場と第2農場と2つの農場から成り立っているのです。ともに県道16号線を秋田市内から太平山リゾート公園に向かう途中にありますが、第1農場は秋田市内に限りなく近いところにあり、高速道路の上を車が走っているのが見えるところにあります。ちょっと走れば住宅街といったロケーションであります。そこから眺める太平山の山並みはなかなかのものであります。

これから話すことの大半は藤倉水源地公園に隣接する第2農園についてが主になります。

農園の規模がいくら小さくても、他に同じ名称がなければいくらでも名前はつけることができます。

From うろんな日々 秋田県太平山自然農園から
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藤倉水源地公園を囲む形で農園はあります

無農薬・有機栽培の野菜生産 太平山自然農園 無農薬・有機栽培の野菜生産 太平山自然農園 無農薬・有機栽培の野菜生産 太平山自然農園 無農薬・有機栽培の野菜生産 太平山自然農園
無農薬・有機栽培の野菜生産 太平山自然農園 無農薬・有機栽培の野菜生産 太平山自然農園 無農薬・有機栽培の野菜生産 太平山自然農園 無農薬・有機栽培の野菜生産 太平山自然農園



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農園周辺散策

昨年(2009)の滞在中に毎日車で7,8分ほどのところにある、太平山リーゾート公園内にある「さ・ぶーん」という日帰り温泉には良く行きましたが、他のところにはほとんど足を延ばしておりません。今年こそは周辺をくまなく歩き回ってみたいと思っています。

農園交通アクセス

藤倉水源地案内図
【所在地】 秋田市山内字上台および字大畑
【交通】
バス:秋田中央交通バス「仁別リゾート公園線」JR秋田駅西口4 → 釣りセンター前下車 → 徒歩10分
車 :JR秋田駅から約25分

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太平山リーゾート公園

近くに温泉があるシアワセ

昼間慣れない農作業で汗を流して、疲れた体を湯船に預けたときの幸福感は特別なものであります。唯一の楽しみは近くの温泉に入ることでありました。普段は格別お風呂好きというわけでありません。むしろできるだけ風呂に入らなければいいとさえ思っているので、本音をいえば、いよいよ体が臭気を発してきているなっていうまで入りたくありません。でも家族がそれをやることを許してくれませんので、しょうがなくて入るのであります。

そんな風呂嫌いの私でも温泉だけは別格であります。年間で延べにすれば3ヶ月ほどは車中泊で放浪してますが、近くに温泉の無い場所には絶対に滞在することをしません。少なくても1日1回は温泉に入らなければ気が済まないのであります。無料休憩所のついている日帰り温泉なんてのは大好きであります。ビールを呑んだり昼寝をしたりしながら何度も温泉に入って過ごすのです。これが楽しみで放浪しているようなところもあります。

最近は地域興しだかなんだか知りませんが、日帰り温泉は急激に増えています。だから旅先で温泉探しに困ったということがありません。むしろこんなにたくさんの温泉が乱立していて大丈夫なのだろうかと余計なお世話なのですがいささか心配になってしまいます。

私が普段住んでいるのは千葉県市川市であります。その住まいの近くには天然温泉というものはありません。公衆銭湯も以前には5軒ほどあったのですが、気がついてみたら1軒だけがかろうじて残っているに過ぎません。そういえば最近まったく銭湯にはいかなくなっていました。変わりに増えてきたのがスーパー銭湯と呼ばれるものですね。近くにもあるのですが、そこは銭湯と同じで温泉ではありません。天然温泉をうたっているところもありますが、わざわざ行く気にもなれません。それに値段も高いですからね。

ここでは車で5分ほど走ったところにある超特大な日帰り温泉「ざ・ぶーん」の紹介をしておかなければならない。これまで数限りない日帰り温泉に入り続けてきましたが、そのなかでも「ざ・ぶーん」は第一級の日帰り温泉であることを明記しておかねばならないと思っている。その規模は群を抜いているのであります。大きなドームの中に大きな温水プールがあり、温泉は2箇所でサウナは3箇所あるらしいです。あるらしいというのは、あんまりサウナが好きでないので入ったことがないのです。外には夏場だけ使用するプールが併設されており、これらは同じ料金で使用できるらしいのです。昨年(2009)は水泳パンツを持ち合わせていませんでしたので、プールの利用はやりませんでしたが、今年は是非ともやってみたいと考えています。

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