北緯40゜の桃源郷から

ここに登場する農園は秋田市から車で約20分ほど走った山の中にある小さな農場であります。これから始まる話は、農夫に成り立てのまったく素人同然の森のぽーと家庭菜園歴ウン十年を誇るおくちゃんとその息子であるやっちゃんとの3人が自分たちの理想とする農園を作らんがために悪戦苦闘する日々の様子を綴った物語であります。

ローラ・インガルス・ワイルダーの
「大草原の小さな家シリーズ」

目 次

はじめに

農園のサイトなのに、児童文学である「大草原の小さな家シリーズ」などを掲載しているのかなんて思われる方もいらしゃるかとも思いますが、開拓農民の生活はそれなりに面白く、その苦労は私のやっているお遊びのような農業とは、その厳しさにおいてまったく違っており、勇気づけられることが多かったのであえて掲載することにしました。これを書いているのは2010年1月でありまして、農作業をやろうにも秋田市にある農園には雪が深く降り積もりとてもやれる状態にありませんから、農業から離れたネタを探して書かざるを得ないという事情もありますけれども。

さてこのサイトはごちょごちょと解説めいたことを書いていますが、最初はこんなサイトを無視しまして、西部開拓時代の農民の生活を味わってみてください。私も最初はこのいおうな毒にも薬にもならないようなサイトを作る気がありませんでしたが、読んでいるうちにいろんな周辺のこと特に地理や時代背景等が気になりだしてきまして、調べ始めたのです。そうしますと一層この作品群が面白くなりまして、まだ調べ続けていますし、なんとも読み直すことにもなってしまいました。当初これほど引き込まれるとは思ってもいませんでした。やがてこのシリーズの影響も多少あったのかも知れませんが、秋田で農業に手を染めることになったのであります。

なお文中にでてくる写真は、「大草原の小さな家シリーズ」とはまったく関係がありません。すべて太平山自然農園の風景であります。せっかく撮った写真ですから、この場所を借りて掲載したもので、なんらの意味もありません。

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大草原の小さな家シリーズについて

以上が「大草原の小さな家シリーズ」の9刊となっております。二番目にでてくる「農場の少年」は後にローラの夫となるアルマンゾの少年時代の話でありますが、この刊はどこの時点で読んでもいいのですが、書かれた順番通りに並べてみました。もうひとつの問題として同じ出版社もしくは同じ翻訳者でこの9刊が出版されているわけではないのかも知れません。少なくても私が検索した結果はそうでありました。

だから出版社もバラバラで当然翻訳者も違うという結果でありましたが、それはそれなりに楽しめました。翻訳者によって随分と味わいの違いがでてくるものだと変なところに感心してしまったりしております。

この小さな家シリーズの他にローラ・インガルス・ワイルダーやその娘のローズの書いた書籍も数多く翻訳されて出版されております。これらの本もできる限り集めて読んでみればその面白さも倍増するかと思います。

NHKでなんども再放送された「大草原の小さな家」を見た方は多いと思います。テレビシリーズの題名「大草原の小さな家」は便宜上つけてあるだけで、原著は全9刊からなりたっており、「大草原の小さな家」はそのうちの3刊目にあたります。

NHKで何度も放送されたのは知っているのですが、全部を完全に見たのかどうなのかといいますと、はなはだ心もとないものがあります。同じものを何度か見た記憶がありますが、毎回ビデオに収録してみたわけでないのでまったくわからない状態になっています。Amazonあたりで検索しますとDVD化されて発売されていますね。しかし、全巻を購入するとなりますと、結構な金額になってしまいますね。そこでレンタルはどうだと思って近所のTUTAYAさんに行きましたが、影も形もありませんでした。唯一TUTAYAのネットで注文して郵メールで届けてくれるサイトにはさすがにありましたね。そのうち機会を見つけてじっくりと鑑賞してみたいと思います。

分類からいえば児童文学書に入ると思います。小学3年生ぐらいから読むことができます。だからといって決して大人が読むに耐えられないなんてことはなく、文学的にも十二分に面白いものであり、いちど読み始めたらやめられなくなってしまうほどの魅力を持ち合わせております。

一番最初に「大草原の小さな家シリーズ」の原作を読んでみようと思ったときに戸惑ったのが、全ての書籍が「大草原の小さな家シリーズ1」とか「大草原の小さな家シリーズ5」となっていると思いこんでいたところに原因があります。

実際にアマゾンで検索してみますとローラ・インガルス・ワイルダーの書籍としてたくさんのものが出現してきます。歴史も古く愛読者も多いので、さまざまな翻訳本や単行本や文庫本等々が入り乱れてでてきますから、最初の頃はかなり戸惑いました。結局各本の巻末の解説等をとおしてローラ・インガルス・ワイルダーの著作物の全体像をしることになったのであります。以下に「大草原の小さな家シリーズ」としての著作物を順番に並べておくことにします。

今年前半に一度読んだ「大草原の小さな家」シリーズを再び読み返しています。1巻の「大きな森の小さな家」は娘が寮に持っていったきりなので、読むことができない。だからいくら身内だといえども、本を貸すの好きじゃないんだ。貸した書籍のほとんはまずは返ってこないことを覚悟すべきですね。現在は娘から取り戻してきまして、「小さな家」シリーズは完璧に揃った状態にあります。

児童文学書なんてものをおおまじめに読むのは初めてのことではないかとも思う。でも思い出してみればロビンソン・クルーソーとか15少年漂流記なんてのも児童文学書の範疇に入るのでしょうから、そうでもないのかも知れません。もともとそんなジャンルわけすることに意味はないし、面白ければそれでいいではないかと思うのだけれども。

ローラインガルスの主な著書は以下の9冊になっています。テレビドラマのタイトルは3冊目から取っていますね。一連の著作を読んでいきますと、ドラマのほうの後半部分はかなり違っているのではないかと思われますが、別にそれに異議を申し立てるつもりはありません。原作と映像はまったく別ものと考えるのが正しいのですから。

まして、もともと「大草原の小さな家」を知ったのはNHKで放映されていたテレビドラマなのですから、私にとっても原作はテレビドラマということになります。しかし、映像と書籍ではかなり違っており、書籍は書籍の良さがあることはあたりまえのことであります。いちどとおしてシリーズを読んでみることをおすすめいたします。

またいちど全部を読んだ後に、インガルス一家が幌馬車で移動した道のりをアメリカ地図で確認してみるのも面白いかとも思います。アメリカという国は私たちにかなり身近な国だとは思うのですが、実際はその地理などはほとんど理解しておらず、原作にでてくる地名などははじめてのものが多くて、その位置などはまったくわからないのであります。この機械でありますから、アメリカ地図をひろげてたどってみるのもかなり面白試みだと思います。

わたしも少しだけたどってみましたら、最初東から西へ西へただ一直線に向かったものだとばかり思っていたのですが、さにあらず、実際は一度かなり南下して、それから再び北へもどり、再び西へむかったことがわかりました。このあたりはもう少し詳しく調べてからまた書き足したいと思います。

地理的なものも調べてみると面白のですが、次は時代背景も調べてみる必要がありそうです。西部開拓の歴史は大陸横断鉄道の西への延伸と呼応するところがあります。ローラの父のインガルスも一時鉄道工事の仕事に携わる時期があります。「シルバーレイクの岸辺で」のなかの「5 鉄道工事現場」という章がそれにあたります。また日本の歴史でいえばどのあたりだろうかということも対比してみると面白いかもしれません。このあたりも後に調査して正確なところを書き込んでみたいと思います。

アメリカの独立戦争はいつだったのか、南北戦争はいつだったのか等々調査して再度読み進めていくと、インガルス一家が生きていた時代背景が鮮明になり、より興味深く読むことができるのではないかと考えています。また、地理を理解することも始めてみることも重要ではないかと考え始めました。たとえば6刊「長い冬」というのがありますが、かなり厳しい冬を過ごすことになりますが、日本の緯度と比較することによって普段はどの程度の寒さであるのかということをきっちりと把握しておくことも重要だし、面白いと思うのですがどうでしょうか

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大草原の小さな家関連年表

1775-83アメリカ独立戦争
1807ヘンリー・ニュートン・クワイナー、生まれる。
1809シャーロット・ウォリス・タッカー、生まれる。
1810ローラ・コルビー生まれる。
1812ランスフォード・ホワイティング・インガルス、生まれる。
1836(天保7年)1月10日、チャールズ・フィリップ・インガルス(とうさん)、ニューヨーク州キューバで生まれる。1月3日に坂本龍馬が生まれる
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183912月12日キャロライン・レイク・クワイナー(かあさん)、ニューヨーク州マローン近くで生まれる。
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18572月13日、アルマンゾ・ジャイムズ・ワイルダー、ニューヨーク州マローン近くで生まれる。
18602月1日、チャールズ・インガルスとキャロライン・クワイナー、ウィスコンシン州コンコードで結婚する
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1861南北戦争はじまる
18639月23日、チャールズ・インガルス、ペピンの農場を買う。
1865南北戦争おわる。1月10日、メアリー・アミリア・インガルス、ウィスコンシン州ペピンで生まれる。
18672月7日、ローラ・エリザベス・インガルス、ペピンで生まれる。
18708月3日、キャロライン・センスティア・インガルス(キャリー)、キャンザス州モンテゴメリ郡で生まれる。
1871インガルス一家、ペピンの農場へ戻る。
1874インガルス一家、ミネソタ州ウォルナット・グローブへ移住する。
187511月1日、チャールズ・フレディリック・インガルス、ウォルナット・グローブで生まれる。
18768月27日、チャールズ・フレディリック、亡くなる。ミネソタ州サウス・トロイに埋葬される。
1877-77インガルス一家、アイオワ州バー・オークに住む
1879インガルス一家、ダコタ・テリトリーに移住する。
18858月25日、ローラ・インガルスとアルマンゾ・ワイルダー、ダコタ・テリトリーのデ・スメットで結婚する。
188612月5日、ローズ・ワイルダー、デ・スメットで生まれる。
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18898月、ローラとアルマンゾの息子が生まれるが、まもなく死亡
1890ワイルダー一家、ミネソタ州スプリング・バレーに移る。
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1891-92ワイルダー一家、フロリダ州ウエストヴィルで暮らす。
1892ワイルダー一家、デ・スメットに戻る
1894ワイルダー一家、ミズーリー州マンスフィールドへ移住する。
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190110月16日、グレイス・インガルスとネイト・ダウ、デ・スメットで結婚する。
19026月8日、チャールズ・インガルス、デ・スメットで亡くなる。
19093月24日、ローズ、クレア・ジレット・レインと、サンフランシスコで結婚する。
1910ローズの息子が生まれるが、まもなく亡くなる。
1911ローラ、「ミズリー・ルーラリスト」紙に初めての記事を書く。
19128月1日、キャリー・インガルス、デイヴィット・スウォンジーとサウス・ダコタ州ラビットシティで結婚する。
1915ローラ、パナマ太平洋万博を見るために、サンフランシスコのローズの家へ行く。
1918ローズとジレット、離婚する。
19244月20日、キャロライン・インガルス、デ・スメットで亡くなる。
192810月17日、メアリー・インガルス、サウス・ダコタ州キーストーンのキャリーの家で亡くなる。
1932大きな森の小さな家』出版される。
1933農場の少年』出版される。ローズの『大草原物語』出版される。
1935大草原の小さな家』出版される。
1937プラム・クリークの土手で』出版される。
1938ローラとアルマンゾ、太平洋岸をまわって、デ・スメットを訪れる。
1939シルバー・レイクの岸辺で』出版される。
1940長い冬』出版される。
194111月10日、グレイス・インガルス・ダウ、サウス・ダコタ州マンチェスターで亡くなる。『大草原の小さな町 』出版される。
1943この楽しき日々―ローラ物語』出版される。
19466月2日、キャリー・インガルス・スウォンジー、サウス・ダコタ州ラビット・シティで亡くなる。
194910月23日、アルマンゾ・ワイルダー、ロッキーリッジ農場で亡くなる。
1954アメリカ図書館協会がローラ・インガルス・ワイルダー賞を創設し、ローラが最初の受賞者となる。
19572月10日、ローラ・インガルス・ワイルダー、ロッキーリッジ農場で亡くなる。
1962わが家への道―ローラの旅日記 』出版される。
196810月30日、ローズ・ワイルダー・レイン、コネチカット州ダンベリーで亡くなる。
1971はじめの四年間』出版される。

先日「大草原の小さな家シリーズ 関連年譜」を書いたけれども、どうもテーブルタグがどこかでおかしいらしく前の部分が大幅に空いてしまう現象に見舞われた。原因不明であります。どこかでCSSが悪さをしているかも知れないけど、追求する気力がないのでそのままであります。

「大草原の小さな家シリーズ」の2回目を読んでいましたら、時代と場所の関係をもっと知りたくなってきたのです。それでローラからのおくりものという巻末に掲載されていた年譜を掲載してみたのであります。

1836年 1月10日、チャールズ・フィリップ・インガルス(とうさん)、ニューヨーク州キューバで生まれる。
たとえばローラがとうさんと呼んでいるチャールズ・フィリップ・インガルスはこの年譜によれば、1836年にニューヨーク州キューバ村に生まれています。アメリカは私にとってとても近い国でありますが、その実アメリカのことはほとんど知らないのであります。ニューヨクのあるところぐらいはウッスラと理解はしていますが、これまで地図をじーっと眺めたことはありませんでした。

また1836年という年は日本の元号でいえばどこにあたるのだろうかということです。現在平成何年かと問われますと、最近は西暦だけでものを考えていますのでまったくわからないのですが、昭和ぐらいまでのことは元号でいわれないとピンとこないのであります。

 余談になりますが、最近は西暦でしかものを考えていないといいましたが、私にとっての西暦の起点は1995年であります。その年はWindows95が発売された年で、そのインストール作業がウイルスのせいでかなりてこずった覚えがあるからです。確かフロッピーを8枚ぐらいまでインストールするとその先がまったく進まなくという現象がでてしまい立ち往生して四苦八苦したことを鮮明に覚えているからであります。いやはやばまったくの余談でありました。

1836年をググってみますとフリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』が登場してきます。これによりますと1836年(天保7年)1月3日に坂本龍馬が生まれているんですね。だからチャールズが生まれたのは明治にもなってないことがわかります。

次に知りたくなるのは、南北戦争(1861年 - 1865年)から何年たっているのだろうかとか、独立戦争( 1775年 - 1783年)から何年たっているのっていう疑問であります。こうして書いてみるとアメリカのことはさっぱりわかっていないということであります。だから私的には「大草原の小さな家シリーズ」はアメリカの歴史や地理・文化を知るうえでのいい教科書になりつつあります。

それに「大草原の小さな家シリーズ」ではクリスマスは特別なものとして描かれています。これはアメリカの宗教や文化知るうえでかなり重要なことではないかと思っています。どこまで踏み込めるかは未知数でありますがかなり面白いテーマだと思っているのです。


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大きな森の小さな家
恩地三保子訳 福音館書店


大きな森の小さな家 (講談社文庫―大草原の小さな家) TOP

農場の少年


農場の少年―インガルス一家の物語〈5〉 (福音館文庫)

「農場の少年」は他のシリーズのものとはかなり異質なものになっています。後のローラの夫になるアルマンゾの少年時代のことを中心に書き表しています。ここでは開拓者一族のインガルス一家もローラも一切でてきません。アルマンゾの一家は開拓者というよりも、すでに定着して安定的な農業経営をおこなっている比較的裕福な家庭を中心に馬を中心に動物好きのアルマンゾ少年の成長していく姿が描かれているのであります。シリーズのなかでアルマンゾが登場してくるのはかなり後になりますから、ここでわざわざ読む必要はないのですが、ローラの作品の発表順に読んでみようとことで、今回はあえて読んでみました。

ローラワイルダーは最初これほどの作品を書こうと思っていなかったようで、最初に出版された「大きな森の小さな家」が評判が良かったので、二作目に「農場の少年」を書いただけのようであります。その後はきっちりとシリーズ化されて、年代順に書き進めていったようであります。

特筆するべきは、これらの作品はすべて60歳を過ぎてからのものばかりのようであります。60歳過ぎてから急に筆を執ったということではなくて、地方紙等にコラム等を時々投稿しており、それなりの評判を得ていたらしいのであります。これらの一連の作品を発表するにあたっては娘のローズの多大な尽力があったようであります。

本当はアメリカの地図と年表を手元において読み進めておけば、もっともっと深く作品を味わえるのかと強く思います。独立戦争から何年たっていて、南北戦争はいつだったのか、そしてその頃の日本はどういったことをやっていたのかを比較して読み進めていけば、現在のアメリカの姿もある程度つかめるような気もするのですが、本来の無精が災いしていて、未だなんの準備もしないで読んでいるあたりが情けない。

確かテレビドラマのなかでは、ケンタッキーフライドチキンの創始者のおじさんもちらっと登場する場面も記憶していますし、西へ西へと西部開拓者は移動していくのですが、それは横断鉄道が西へ西へと延伸していくのに併せています。基本的には西部開拓史の一旦を垣間見ることであるようであります。

現在秋田で百姓の真似事らしきものをやっていますが、開拓というのはそんなものの百倍から時としては五百倍ほど過酷なものだったんだろうと想像がつきます。もっともこれらの書籍から刺激を受けて超時代錯誤な百姓の真似事をやってみようなんて思ったのも正直なことであることを白状しておかなければなりません。

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大草原の小さな家


大草原の小さな家 ―インガルス一家の物語〈2〉(福音館文庫)
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プラム・クリークの土手で


プラム・クリークの土手で―インガルス一家の物語〈3〉 (世界傑作童話シリーズ)
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シルバー・レイクの岸辺で

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長い冬

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大草原の小さな町

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この楽しき日々

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はじめの四年間

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